可愛いわんちゃん、ねこちゃんと一緒に生活する中で、ご家族の方が注意していても思いがけず誤飲・誤食トラブルが起きてしまうことがあります。たとえば、「大好きなおもちゃを飲み込んでしまった」「人の食べ物を少しお裾分けしてあげたが、実はわんちゃんやねこちゃんにとっては有害なものだった」などのケースがあります。飲み込んでしまった物のサイズによっては、胃腸が詰まってしまう病気(腸閉塞)や、有害な成分による中毒などが起きてしまうことがあります。
今回、そのような誤飲・誤食トラブルが起きてしまった場合、初期対応としてできる治療についてブログに簡易的ではすが、まとめました。
当院での処置例
わんちゃん、ねこちゃんの状態を確認させていただき、必要に応じて検査や催吐処置などをおこないます。
【催吐薬】
当院では、催吐処置に以下の薬剤を使用しています。
◉トラネキサム酸
→止血剤として使うお薬ですが、静脈内に急速投与することで、副作用として嘔吐が誘発されます。これを利用して催吐処置を行います。
◉メデトミジン
→猫ちゃんの場合、トラネキサム酸よりも嘔吐誘発率が高いと言われています。
◉CLEVOR
→数年前に発売された催吐薬で、点眼により嘔吐を誘発します。海外薬ですが、当院でも取り扱いをしております。
◯催吐処置の後に
催吐処置後は、必要に応じて点滴をおこなう場合があります。特に中毒物質による影響が心配な場合は、なるべく早く身体の外に排泄されるように点滴が推奨される場合があります。症状が出ている場合は、それに対する治療も行ないます。
【内視鏡】
当院では、内視鏡を備えております。催吐が難しい場合や、おもちゃ等を食べてしまったか定かではなく、レントゲンで誤食の判断が難しい場合等は内視鏡を使用します。
食べてから時間が経ち過ぎてしまうと、催吐処置の適応外となり、入院治療や外科的な対応(手術)が必要になることがあります。万が一誤食・誤飲をしてしまった場合は、すぐに動物病院にご相談ください。