マイクロチップとは
現在動物愛護管理法では、犬や猫などの動物の所有者は自分の所有であることを明らかにするためにマイクロチップの装着等を行うべき旨が定められており、2022年6月より義務化されました。また犬猫を海外から日本に持ち込む場合にはマイクロチップなどで確実に個体識別をしておく必要があり、海外に連れて行くときにはマイクロチップが埋め込まれていないと持ち込めない国があります。
マイクロチップは、直径2㎜、長さ約8~12㎜の円筒形の電子標識器具で、内部はIC、コンデンサ、電極コイルからなり、外側は生体適合ガラスで覆われています。それぞれのチップには世界で唯一の15桁の数字(番号)が記録されており、この番号を専用のリーダー(読取器)で読み取ることができます。動物の安全で確実な個体識別(身元証明)の方法としてヨーロッパやアメリカをはじめ、世界中で広く使われており、わが国でも、近年犬や猫などのペットを中心として利用者が急増しています。
メリット
迷子や地震などの災害、盗難や事故などによって、飼い主と離ればなれになっても、マイクロチップの番号をリーダーで読み取り、データベースに登録された情報と照合することで、飼い主のもとに戻ってくる可能性が高くなります。
環境省の調査によると、平成30年度に負傷動物として保護された犬・猫のうち、飼い主さんが引き取ることができたのは、犬が約33%、猫はわずか約0.4%でした。また、東日本大震災の際、ある自治体で保護された犬と猫のうち、迷子札や鑑札、狂犬病の注射済票を身に着けていた場合は100%飼い主が判明しましたが、迷子札のついていない首輪のみの場合、飼い主が判明したのは犬は0.5%のみ、猫の場合はゼロでした。この震災の後、マイクロチップの重要性が改めて見直されました。
埋め込み方法
通常の注射針より少し太い専用のインジェクター(チップ注入器)を使って体内に注入します。ワクチンなどお注射と同じような感覚で手軽に処置ができます。鎮静や麻酔をかけずに装着することもできますが、手術などで麻酔をかける機会がある場合、あわせてマイクロチップを装着することをご希望される方も増えています。特に、避妊手術や去勢手術の際に装着される方が多いです。
埋込場所は、背側頚部(首の後ろ)皮下となります。
マイクロチップが挿入されている子の実際のレントゲン写真です。
背側頚部(首の後ろ)に白く写っている影がマイクロチップです。
マイクロチップが認識できるかどうかリーダー(専用の読み取り機)で確認してみたい方は、いつでもお気軽にスタッフまでお声掛けください。