肛門腺

【初めての飼い主必見】犬の肛門腺絞りの方法と頻度、異常の症状について解説!

1.はじめに

犬を飼っている飼い主の方であれば、「肛門腺絞り」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。犬の健康管理に欠かせない肛門腺について、正しい知識を持っていることはとても重要です。この記事では、肛門腺について詳しく解説します。

2.犬の肛門腺について知ろう

(1)肛門腺の役割

犬の肛門腺は、肛門の周囲にある臭いの強い液体を分泌する器官です。主に犬同士のコミュニケーションに重要な役割を果たしています。特定の香りを持つ液体を分泌し、他の犬に自分の存在をアピールすることができます。また、排便時にも肛門腺から液体が分泌され、便とともに外へ排出されます。

肛門腺の液体は、犬の健康状態を示す指標としても重要です。異常な臭いや色の液体が分泌される場合は、病気や感染症の兆候かもしれません。このため、定期的に肛門腺をチェックし、異常がないか確認することが重要です。

(2)犬種によって肛門腺の発達や詰まりやすさが異なる

肛門腺は犬の体内で重要な役割を果たしていますが、犬種によって発達や詰まりやすさが異なることもあります。例えば、小型犬種は肛門腺が発達しにくい傾向があります。また、大型犬種は肛門腺が発達しやすい傾向があるため、詰まりやすくなることもあります。

以下は代表的な犬種の肛門腺の発達や詰まりやすさに関する情報です。

犬種肛門腺の発達詰まりやすさ
トイプードル発達しにくい詰まりにくい
シーズー発達しにくい詰まりにくい
チワワ発達しにくい詰まりにくい
ダックスフント発達しやすい詰まりやすい
ゴールデンレトリバー発達しやすい詰まりやすい
ロットワイラー発達しやすい詰まりやすい

犬種によって肛門腺の状態が異なるため、定期的なチェックや肛門腺絞りが必要な犬種もあります。特に肛門腺が詰まりやすい犬種では、適切な頻度で肛門腺絞りを行うことが重要です。

(3)肛門腺絞りが必要な犬種

犬種によって肛門腺の発達や詰まりやすさが異なるため、肛門腺絞りが必要な犬種もあります。主に以下のような犬種がその傾向にあるとされています。

・トイプードル ・ビーグル ・コッカースパニエル ・ダックスフンド ・シーズー ・シャーペイ ・ラブラドールレトリバー

ただし、犬種によって必ずしも肛門腺絞りが必要なわけではありません。個体差もあるため、定期的なチェックが必要です。また、高齢犬や肥満犬、運動不足の犬など、生活環境によっても肛門腺が詰まりやすくなることがあります。

肛門腺の発達や詰まりやすさを知っていることは、犬の健康管理にとって重要です。定期的なチェックと適切なケアを行うことで、犬の健康を守ることができます。

3.肛門腺絞りの方法と注意点

(1)絞るタイミングと頻度

犬の肛門腺の絞り方についてですが、タイミングと頻度はとても重要です。肛門腺が詰まっていても、毎日絞る必要はありません。犬種やその個体によって絞る頻度は異なりますが、一般的には月に1回から2回程度が適切です。また、肛門腺が詰まっている状態で絞るのは避けましょう。詰まっている場合は、獣医師に相談することをおすすめします。

絞るタイミングについても、注意が必要です。肛門腺は、犬が排便するときに自然に絞られるはずですが、それがうまくいかない場合や、体調不良で便秘になってしまった場合は、自然に絞られずに詰まってしまいます。そのため、排便時に肛門周辺が赤くなっている場合や、かゆがっている様子がある場合は、肛門腺が詰まっている可能性が高いため、早めに絞る必要があります。

以上のように、肛門腺の絞り方にはタイミングと頻度がとても重要であることがわかりました。絞るタイミングや頻度については、獣医師に相談することもできますので、しっかりと情報収集を行い、愛犬の健康管理に努めましょう。

(2)肛門腺絞りの方法

肛門腺絞りは獣医師やトリマーなどの専門家に依頼することもできますが、自宅で行うこともできます。肛門腺絞りをする際には、手袋を着用し、犬の尻尾を持ち上げ、肛門腺の位置を確認します。肛門腺が目立っている場合は、指で肛門腺を押し出し、圧迫するようにしながら中身を絞り出します。

犬の肛門腺は左右2つあり、1つ絞ったら反対側も同様に行います。ただし、初めて自宅で肛門腺絞りをする場合は、獣医師などの専門家に相談してから行うことが望ましいです。

また、肛門腺絞りの頻度については、個体差があるため一概には言えません。犬種によっては1ヶ月に1度の頻度が必要な場合もありますが、健康な犬であれば2〜3ヶ月に1度程度でも問題ありません。

肛門腺絞りをする際には、犬が嫌がることもあるため、十分な注意が必要です。犬がリラックスした状態で行うことが望ましいです。また、肛門腺が腫れている場合や出血している場合は、自宅での処置は避け、獣医師に相談することが必要です。

(3)注意点

肛門腺絞りを行う際には、注意点がいくつか存在します。まずは、絞りすぎによって肛門腺が炎症を起こすことがあるため、絞りすぎないように注意する必要があります。また、犬によっては絞られることに嫌悪感を示す場合があるため、十分なリラックスをさせることが大切です。

肛門腺絞りには、獣医師や動物看護師、トリマーに依頼することも可能です。しかし、自分で行う場合には十分な知識と技術が必要になるため、正しい方法を学ぶことが重要です。間違った方法で行うと、犬に怪我をさせたり、肛門腺が損傷を受けたりすることがあるため注意が必要です。

また、肛門腺に異常がある場合や、犬が痛がっている場合には絞らないようにすることも大切です。異常がある場合には、早期の診断と治療が必要になりますので、獣医師に相談することが望ましいです。

以上の点に留意しながら、正しい方法で肛門腺絞りを行うことが、犬の健康維持につながります。

4.肛門腺に異常がある場合の症状と対処法

(1)肛門周りのかゆみや赤みが出る

肛門腺に異常がある場合、肛門周りがかゆくなったり、赤みが出たりすることがあります。これは肛門腺から分泌された液が肛門周りに付着して、炎症を起こすためです。

この症状が出た場合、まずは犬を清潔に保つことが大切です。毎日のブラッシングやシャンプーで汚れを落とし、清潔なタオルで拭いてあげましょう。また、痒がって肛門周りをかきむしったり、なめたりしないように注意してください。かきむしったりなめたりすることで、炎症が悪化することがあります。

症状がひどい場合は、獣医師に相談して治療を受けることをおすすめします。獣医師からの処方箋をもとに、薬局で購入した薬を犬に与えることもできます。

肛門腺の異常による症状を防ぐためには、定期的な肛門腺絞りが必要です。また、食事にも注意し、便秘を防ぐことも大切です。便秘になると、肛門腺が詰まりやすくなります。犬の健康を守るためにも、肛門腺のケアは欠かせません。

(2)歩行や排便に問題が出る

肛門腺に異常がある場合、歩行や排便に問題が出ることがあります。肛門腺は、排泄物の臭いを認識し、自分の匂いで周りの犬や動物に自己主張を示すための役割があります。しかし、肛門腺に異常があると、以下のような問題が発生することがあります。

  1. 歩行に問題がある場合:肛門腺が詰まっていると痛みが生じるため、歩行に不具合が生じます。痛みにより、足を引きずったり、後ろ足を立てたり、歩く時にゆっくり歩くようになる場合があります。
  2. 排便に問題がある場合:肛門腺が炎症を起こした場合、排便に問題が生じます。下痢や便秘、便の形状が変わった場合や、排便時に痛みが生じることがあります。

これらの症状がある場合は、早急に獣医師に相談することをおすすめします。また、肛門腺の定期的な絞りは、これらの症状を予防するためにも重要です。

(3)異臭がする

犬の肛門腺に異常がある場合、異臭がすることがあります。肛門腺内にある分泌物が腐敗して悪臭を放つことが原因です。これは、肛門腺の正常な排出が妨げられている場合に起こります。肛門腺の排泄が十分にされていないと、分泌された液体が詰まってしまい、細菌が繁殖することになります。この際に異臭がすることがあります。

このような場合には、直ちに獣医師に相談しましょう。獣医師は、適切な治療を提供してくれます。犬の肛門腺を絞って問題を解決することもありますが、専門的な知識と技術が必要であるため自分で行うことはお勧めできません。また、異臭がする場合は犬だけでなく、周囲の環境にも影響を及ぼすことがあるため、早急な対処が必要です。

異臭がしない場合でも、定期的な健康診断や肛門腺のチェックが必要です。定期的なケアによって、犬の健康維持に役立ちます。

(4)症状が出た場合の対処法

肛門腺に異常がある場合、以下のような症状が現れることがあります。

1.肛門周りのかゆみや赤みが出る 2.歩行や排便に問題が出る 3.異臭がする

これらの症状が現れた場合は、まずは獣医師の診察を受けることをおすすめします。獣医師によって適切な治療が行われ、症状を改善することができます。

ただし、緊急性がある場合は自己処理を行うことも考えられます。肛門腺を絞ることで症状を改善することができますが、絞り方には注意が必要です。強く圧迫すると肛門腺が破裂する可能性があるため、慎重に行うことが大切です。

また、症状が改善した後も、日常的に肛門腺の状態をチェックし、必要に応じて絞ることが必要です。適切なケアを行い、犬の健康を守ることが大切です。


獣医師・愛玩動物看護師(ともに国家資格)による専門的な肛門腺絞りをご依頼ください。肛門腺絞りのみの受診も可能です。ご予約はこちら