日本国内で犬の狂犬病予防注射が必要な理由について説明します。
- 狂犬病予防注射は飼い主の義務:
・新しく犬を迎えた際やその後は、年に1回の狂犬病予防注射が義務付けられています。飼い犬に狂犬病予防注射を受けさせなかった(免除された場合を除く) 場合、20万円以下の罰金の対象となります。狂犬病予防法の違反による検挙数は毎年100件から200件で、世界でも数少ない狂犬病清浄国のひとつである日本でも厳しい取り締まりが行われています。
・狂犬病は、狂犬病ウイルスを持つ犬が他の動物を噛むことで感染が広がります。感染は唾液を通じて行われます。
・人への感染も主に犬から起こりますが、猫やコウモリなど他の哺乳類からも感染する可能性があります。
- 日本において狂犬病は発生していない:
・日本では、1957年以降、猫での狂犬病発症例は報告されていません。
・ただし、輸入感染事例として、2020年にフィリピンから帰国した日本人が発症した例があります。
- 世界的な視点からの予防:
・世界的には、毎年50,000人以上の方が狂犬病で亡くなっている状況です。
・日本は狂犬病清浄国であるため、狂犬病予防接種の義務は犬のみに限られています。
・しかし、海外渡航時には予防接種が必要な場合もあります。
- 狂犬病の感染症状:
・狂犬病に感染すると、初期には発熱や頭痛など風邪のような症状が現れます。
・進行すると意識障害や幻覚などの神経症状が生じ、有名な症状として「恐水症(きょうすいしょう)」があります。
狂犬病予防注射は、飼い主の責務として、愛犬を守るために必ず行いましょう。